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山の水は飲んでも大丈夫?迷った時チェックしたい4つのポイント

みなさんこんにちは、神坂涼介です!

今回は、「山に流れている水は飲める?
についてご説明していきたいと思います!

よく山とかにいくとコップとかが置いてあって
この水飲めますよー」とよく書いてあるんですけど
ほんとに大丈夫なのか?ということをお話ししていきます。

このことは山登りだけに関わらず、
山に住んでいる人であったり、キャンプとか
自然によく行くことはありますよね。
そこに流れている水とかをも使うことはあると思います
そこでその水は本当に飲めるのか?ということを
知っているのと知らないとでは自分の身を守るためにも大切なお話です。

今回は、メジャーなところからマニアックなところまで
お話ししていくので是非最後までご覧いただければと思います。

①沢の水②地下水

①沢の水

「沢の水」は一般的に「地表水」と言った言い方をしますが
簡単に私たちの歩いている地面の上を下がれている水です。

※こちらの沢の水は基本的に飲むことはNGです。

これはなぜかと言いいますと、沢の水と言ったものは
上流側から流れていているものですが
この上流に一体どんな成分が含まれているのかは
把握しずらいものだったりするので危ないと言われています。

②地下水


地面のさらに下の地下で流れている水のことを地下水と言います。

ここで山といったものは 砂や、土や岩石など、いろんな地層 がたくさんあります。
そこに雨が降った場合、この地層を水が流れていって
その際に「ろ過」という働きが起こります。

ろ過とは、水の中に含まれている不純物を地層の中で
「吸着」という言い方をしますが、不純物を除去してくれます。

そしてその除去された水が地下に溜まり、
その溜まった水のことを地下水と言います。

この溜まった地下水が地表から出てきた物を
「湧水(ゆうすい)」
と言います。


そういったものは比較的飲めなくもないし、
飲んでも危ない場合もあるんですが、地下水は
地層の中でろ過されて飲めますよといった意味で
よく観光地なのでコップなどが置いてあって
「飲めます」みたいなことが書かれてあったりします。

この2つの水の内容はお分かりいただけましたでしょうか?

・沢の水…基本的に飲めない。飲んじゃダメです!!
・地下水…飲めるけど、少しリスクあり。

この2つの内容は是非、頭の中に入れておいてください。

水が持つリスクについて

続きまして、水の持つリスクについてお話ししていきます。
下記が水のもつリスクになります。

①大腸菌、ピロリ菌、寄生虫

動物のフンや農地、トイレなどに含まれていたりします。
農地などは農薬などを使ったりするので、流れた際に地下水などに含まれいる可能性があります。
トイレは、山小屋などの近くによくあったりするので
そのトイレは流すときに山の中に流すのでその中に有害な物質などが含まれいる可能性があります。

②pH(酸性〜アルカリ性)

これはよく中学校とかで習っているかと思います。
酸性とアルカリ性が、0(酸性)~14(アルカリ性)だとして
その中間の値が「中性」と言われています。
この中性の部分を私たちは飲み水としての飲んでいます

そこで沢の水と地下水などはこのpHがどのようになっているのかというと
基本的に中性の場合もあれば、中性から酸性アルカリ性になっている場合があり、かなり波があります。
これは流れている水をその場で判断することはできず、
ちゃんとした機器と使ってではないと測ることはできません。
なので一般の人はpHがどの値かというのは判断ができませんので
容易に水を飲むことは危険な可能性があります。

③地質


これは大半の人は気にしたことがは無いかと思います。
僕も大学とか仕事などで学んだことがあるので知っていますが
一般の人は住んでいるところの地質とか気にしていないですよね。

ではこの地質というのはどうリスクがあるのかというと
地質の種類はたくさんあるのですがその中で
有害物質(ヒ素など)が含まれている可能性があります。
水俣病とかああいった工業団地などで流行った病気ががありましたね。


ああいった病気もこの有害物質が原因だったりするんですが
水銀とかのような私たちの体に悪影響があるものは
地質とかによって大きく左右されていくので
沢の水や地下水が流れているところの地質
どういう風になっているかを知っておくことが大切です。
これを把握しておかないと、飲んだ水に有害物質が含まれていて
私たちの体に悪影響を及ぼす可能性があります。
なので普段は気にされないと思いますが、
こういった「地質」などのことも注意しなければなりません。

さてここまで上記3つをご説明してきましたが、
「むずかしい…」「こんなの見ても素人目でわからないよ」
と思った人も多いかと思います。笑

なので次では危険なところと比較的安全なところ
ポイントごとにまとめましたのでご紹介したいと思います。

危険なところ

①下流

「下流ってなんだろ」と思う方もいらっしゃるかと思います。
ここで次の安全なところにも出てくるワードなのですが、
【上流】こちらのワードもご一緒に説明していきたいと思います。
みなさん、山のてっぺんから山の下に水が流れる絵を想像してみてください。


上流と言ったものは、この絵でいうとこの山のてっぺんの部分になります。
ここでお分かりの方もいるかと思いますが
下流はこの下の標高の低いところを言います。

この上流と下流という概念を頭の中に入れておいてください

はい、ではここで下流がなぜ危険なのかの話に戻ります。
なぜ下流は危険なのか、
この上流から下流に水が流れていった時に
下流に流れてきた水は上流からいろんなとこを通ってくるので
先ほど話しました、有害物質や菌などが途中で含まれている可能性があります。

②火山・鉱山

ここは3つのリスクの中の地質に該当します。
火山 はみなさん危ないという意識を持っているかと思いますが
火山の近くは温泉とかありますよね?
※この温泉も危険なポイントです。


この温泉も体にいい成分が入っていたりと健康に良いイメージですが
あれはあくまで温泉に使っているから良い物であって
もし飲んでしまったときにさすがにみなさんまずいと思いますよね。

基本的に火山とか温泉は、特に火山から出る火山ガスというのは
地質の有害物質が含まれているのでこういったところを通っている水は
有害物質を含んでいる可能性が高いです。


そしてその有害物質によってpHも酸性側に傾いてしまうなど
水が悪くなっている可能性が高いので基本的に
火山・鉱山・温泉が近くにある場合は
地下水でも沢の水でも飲むのはやめましょう

③農地・トイレ

先ほどもご説明しましたが、農地とかには動物のフン
化学薬品を使用している場合やトイレも
何をしているかは明確にはわかりませんよね笑
なのでこういった所の近くの水も危ないですよということを覚えておきましょう。

④トンネル(ずり)

こちらはみなさん聞いたことが無いと思いますが、
これが結構マニアックなんです。。笑
このトンネルのよこに「ずり」と書いておりますが
ちょっと想像して欲しいのですが
トンネルにはがありますよね?

トンネルを作るときは山の横から穴を空けて作っていきます。
その際に穴を掘るんですから、削りますよね
その際に削った岩などはどこにいくか分かりますでしょうか?
先ほど出ました「ずり」という言葉ですが、
このトンネルを掘るときに出てきて余った岩や土のことを「ずり」といいます。

このずりというものはトンネルを作った際に
近くの土地みたいなところに持っていって
それをそこで処理する処理場があるのですが
ではなぜこの処理場を作っているのかというと
僕も仕事で調査をしている時にトンネルを掘るに
いままではきれいな地下水が流れてきていたのに
その流れてきていた所に人間のちからで穴を堀り
そこで本当は削ってはいけない地層などを削ってしまって
その際に今まで綺麗だった地下水が変化し、悪くなり
近くに住んでいる人に悪影響が出てしまうということがあるんですね。
なのでトンネルを掘る際は毎日水質調査をして
水質が変化していないか、人体に影響が無いかといったことを細く調査しています。

地層の中にある岩石などは有害物質
入っている可能性があり、トンネルの周りには
その余った岩石が残っている可能性があるので地下水の中に
有害物質が入ってしまって私たちの体に悪影響を及ぼす原因になります。
結構マニアックなのですが、このトンネルの近くも
危険なところになっていきますので
是非覚えていただけますとありがたいです。

※トンネル付近の水には注意しましょう。

 

比較的安全なところ

では続きまして、比較的安全なところになります。

①標高が高いところ(上流)

こちらは先ほどご説明しました山のてっぺんのところになります。
ではなぜこの上流のところが安全なところなのかと言いますと
下流はこの上流からいろんな物を取り込んで流れてくるものですが
逆にその取り込む場所少なければ少ないほど
純粋な雨の水が溜まっているので比較的安全ですよということが言われています。

※100%安全というわけではありません。

②水質調査済みの場所

これは基本的にちゃんと調べないと分からない部分ですが
例えば富士山であったりああいう綺麗なところで
湧水(ゆうすい)がよく流れていて
「飲めますよー」というのが書かれてあったりします。
たまに看板などで水質調査済みの看板があったりするのですが
そういったものがある場所は比較的安全度は高まります

なぜこの水質調査をしているかしていないかが大事かと言うと
一般的に私たちが飲んでいる水道水は、ちゃんと水質調査をした上で
飲めるようになっていますが、この水道水は調査する上で項目があり
その項目数が、51項目ございます。
51項目をしっかりひとつずつ調べて、何も無い状態で
私たちは飲料水として飲めているわけです。

ここでお分かりだと思いますが、こんなに項目数もあって
しっかり調べて調査をしていることはわかると思います。

そして山の水でもこの水質調査を行っており、
その項目は最低10項目以上調査されているんです。
これのおかげで私たちの飲める水なのかを判断できるので
水質調査をしているかしていないかでは大きな違いなんですね。

なので山登りなどをした際にはまわりの看板などを
チェックしておくと比較的安全に飲み水として飲めるでしょう。

上記に比較的安全な場所としてご紹介しましたが、
これが100%安全と言うわけではありません!!

実際一般な人は見た目で判断できませんし、
プロの人でも100%安全に調査できるかというとそうではないので
結論からいいますと基本的に自然に流れている水
極力飲まないでください。笑

実際飲んでも、自己責任にはなってしまいますが
山登りとかしているときに実際水がなくなってしまうということも
無きにしも非ずですが、もし流れている水を飲んでしまって
それで病気とかになってしまったらすぐに病院とかもいけないので
なるべく自然の水は飲まないように心がけて
水分は多めに持っていきましょう!

そんなことをいってもほんとに万が一飲まなければいけない状況になったら
その時の対策方法としては一般的に言われている
煮沸(しゃふつ)…熱湯殺菌

100℃とかの沸騰している状態で水を加熱することによって殺菌し
殺菌するものとして、大腸菌やピロリ菌、寄生虫
こういったものは沸騰している状態で5~10分煮沸(しゃふつ)することによって
多くのものを死滅させることができると言われています。
なので万が一は、この煮沸(しゃふつ)をすることが一番の対策方法です。

ただじゃあ煮沸(しゃふつ)すればなんでも飲めるのかといったら
そうではなく、あくまで死滅させるのは大腸菌などの菌や寄生虫
pHや有害物質は加熱しただけではどうしようもないので
基本的には、煮沸(しゃふつ)は緊急対策としてのものであって
山に流れている水は極力飲まないようにしましょう!

なので、もし登山などに行くときは自分の水は
なるべく多く持ち歩いて、山の水は飲まないように
心がけていただければと思います!!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を読んでくださった方が、1人でも登山に興味を持っていただけたり、安心・安全を第一に!登山を楽しんでもらえると嬉しいです。
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ABOUT US
神坂涼介株式会社リンクコンサル代表取締役
登山の趣味歴11年。大学では火山学、地質学を専攻。YouTubeでは登山や自然に関する防災知識等を発信。一人でも多くの人が山に興味を持って欲しいという願いから、会員制コミュニティTOMOTOTOでは定期的に登山&勉強会を開催している。愛知県で4店舗を構えるカルチャーセンターでは、平均年齢61歳の高齢者向けに「山歩き入門」という名称で座学、体験登山を実施している。