今回は、
- 登山に興味はあるけど、しんどいのは嫌だ
- 険しい山を少しでも楽に登りたい
- 次の日に疲れを残したくない
そんな方に向けて、初心者〜経験者まで登山をより楽しんでいただくために
『疲労のメカニズムと疲れない登り方』についてお話しします!
初心者の方も経験者の方も、休日に登山に行く場合が多いと思います。
次の日のお仕事に疲れを残さないためにも是非参考にしてみてくださいね(^^)
それでは、詳しく解説していきます。
この記事の目次
疲労の原因
そもそも身体が疲れる原因って何?という疑問があるかと思います。
そこで、次の項目から説明します。
- 疲労物質
- 疲労物質の原料
- 疲労物質の発生機序
疲労物質
まず最初に疲労物質についてですが、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
『乳酸』という疲労物質が疲労の原因と言われていて、この『乳酸』が出ることで身体が疲れるわけです。
また、主に運動時に『乳酸』が出るとも言われています。
疲労物質の原料
次に疲労物質である『乳酸』の原料についてです。
原料となるのは、ブドウ糖と言われています。
主に、どのような食べ物があるかと言うと・ご飯やパンといった炭水化物があげられます。
疲労物質の発生機序
疲労物質である『乳酸』は、ブドウ糖が原料であり、運動をすることで発生するのですが、どんな運動でも発生するわけではありません。
どのような状況で発生するかと言うと、最大体力の60%以上で産出されます。(個人差はあります)
ウォーキングと100m走を例に挙げて考えてみます。
ウォーキングでは、多少息が切れたとしても最大体力の20〜40%かと思います。
それに比べて、100m走になると80〜100%くらいの全力疾走になるかと思います。
つまり、60%未満である場合のウォーキングでは乳酸は産出されないということです。
乳酸が産出されると…
実際に疲労物質である乳酸が産出すると、身体の中ではどんなことが起きているのか説明していきます。
- 水素イオンの産出
- グリコーゲンの消耗
- 精神的疲労
①水素イオンの産出
乳酸が産出されることで、体内では水素イオンが産出されます。それに伴って体内の状態がどう変化するかを合わせて説明します。
その上で知っておきたいのがpH値です。
pH値とは
0(強酸性)〜14(強アルカリ性)までの範囲を表します。中間の7.0が中性です。
それを踏まえた上で、私たちの血液のpH値は7.35〜7.45が正常とされています。
そしてそのpH値を保つために、私たちの身体は中性〜弱アルカリ性になっています。
しかし、乳酸が産出されることで、水素イオンが産出されます。
この水素イオンが産出することによって、私たちの身体は酸性へと傾いていきます。
私たちの身体は中性〜弱アルカリ性だと言われているように、中性〜弱アルカリ性=健康な状態といえます。それが酸性に傾くことで、身体に様々な支障をきたすことになります。
(さらに詳しく知りたい方は➡︎酸塩基平衡について)
②グリコーゲンの消耗
グリコーゲンとは
主に筋肉中に含まれていて、私たちのエネルギー源の1つとなる物質です。
つまり、乳酸の産出によりグリコーゲンが消耗され、エネルギー不足へと繋がるわけです。
エネルギー不足になると、身体が動かなくなるなどの身体機能の低下を引き起こすことになります。
③精神的疲労
乳酸が産出されることで、①水素イオンの産出、②グリコーゲンの消耗のような身体的疲労に加え、精神的疲労をも引き起こしてしまいます。
この疲労物質である乳酸を脳が認識することで、疲労感を感じるとも言われているのです。
ここまでで、疲労の原因となる乳酸(疲労物質)やメカニズム、身体にどのような影響を及ぼすのかについて説明してきました。
ここからは、今日のメインとも言える『疲れない登り方』疲労対策について説明していきます(^^)
疲れない登り方
ここでは疲労対策として、一人での登山と複数人での登山において、どのような事に気をつければ良いのかを説明していきます。
一人登山でのポイント
疲労物質の発生機序でもお話ししたように、最大体力の60%以上で乳酸が産出されます。
この最大体力は、性別や年齢、経験者や初心者によって様々です。つまり最大体力には個人差があるという事です。
なので、最大体力の60%を超えないように自分のペースで歩くということが非常に大切になってきます。
簡単にいうと、無理をしない。
登山をしてるとよくわかると思いますが、60歳や70歳くらいの方が標高2,000m〜3,000mくらいの山を平気な顔して登ってるんですよね。
それに比べて、登山を始めたばかりの若い人は、体力があるんでガンガン登って行っちゃうんですけど、山頂に着く頃には息が切れてたりするんですよね。
体力だけで見ると、明らかに若い人の方が体力はあるけれども、山頂での疲労度で比較すると年配の人の方が元気なことがよくあるんですね。
その違いこそ無理をしないということです。
ここまでの話しでいくと、乳酸って身体によくない物質って印象があると思ういます。
しかし最近の科学では、この乳酸が心臓や脳に対してもエネルギーの1つとして、良い効果を与えることが解ってきたんです。
なので、乳酸がたくさん出てしまうと身体機能の低下につながるので気をつける必要がありますが、適度に出るのには良い効果があるのでちょっとキツいぐらいのペースで歩くことを意識してもらえると良いかと思います。
複数人登山でのポイント
複数人での登山の場合では、経験者ばかりでの登山もあれば、初心者を連れての登山もあるかと思います。
なので今回は初心者と経験者に分けて説明していきます。
初心者の場合
ここで最も大切になってくるのは、自分のペースで歩く!ということです。
経験者の人と違い、山道での歩き方がわからなかったり、体力を消耗しやすいんですね。
また初心者の人が、初めから一人で登ることは、滅多にないです。
(初心者での一人登山は、危ないので控えてもらった方がいいです!)
初めての時は、経験者の人と一緒に行くことが多いと思いますが、経験者の歩くペースは初心者に比べて、明らかに速いです。
また初心者の人の気持ちとして、
など経験者の人に気を使いがちになってしまいます。
そうなると、経験者の人は最大体力の60%ぐらいだったとしても、初心者の人からすると最大体力の70%〜80%、それ以上になってくる可能性が高いです。
なので初心者の人は以下のことを大切にしてください!
・自分の意思表示をしっかりとする(しんどい時は、しんどいことを伝える)
・自分のペースで歩く(初心者のペースに合わせてもらう)
経験者の場合
経験者の立場で最も大切になってくるのは、1番体力のない人にペースを合わせる!ということです。
これは、初心者がいない場合においても言えることです。
複数人での登山において、先頭を歩く人は最後尾を歩く人のことまでも考える必要があります。
なんて考えて、後ろを置き去りして登っていくと…楽しいはずの登山で、仲間が遭難や道迷い、滑落などの事故に遭遇してしまったら最悪な思い出になってしまいます!
また、初心者の人が一緒の場合には、初心者の人にペースを合わせることも大切です。
複数人で登る場合は以下のことを大切にしてください!
・1つのチームとして集団行動に徹する
・1番体力のない人にペースを合わせる
・初心者の人にペースを合わせる
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それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)