こんにちは!最近、地形図の見方や、それを使った登山コースの選び方などを中心に解説してきました。
こういう選び方ももちろんいいですが、いざ登山をする!となった時の山選びの方法は他にもありますし、「こういう選び方がいいよ!」というのは、人によっても異なります。
ネットを見ても色々書いてありますので、どれがいいのか分からない!という方も多いです。
なので今日は、僕なりに初心者の方はこういう観点で山を選ぶといいよ!というのを大きく分けて2ポイントで解説していきます。
この記事の目次
歩行時間と標高差
まず、2ポイントとは何か?と言うと
・標高差
の2つです。次の表を見てください。
歩行時間と標高差での、難易度を5段階でまとめました。
ここで1つ注意して欲しいことがあります。表において歩行時間と標高差が横並びにはなっていますが、難易度1の山は歩行時間が1〜3時間で、標高差が100〜500m、ではないということです。
歩行時間が1〜3時間であっても標高差が500〜800mの山もありますし、逆に標高差が100〜500mであっても歩行時間が3〜5時間のこともあります。そこは注意してくださいね。
さて、ではこの表をもとに、それぞれのポイントについて見ていきましょう。
歩行時間
まず、歩行時間とは
のことを言います。
なので表において☆1の山に登山に行く場合、登り始めから下山までの時間が1〜3時間ということです。登り始めから山頂まで、ではないので注意してくださいね。
標高差
次に、標高差とは
のことを言います。
スタート地点が0m、山頂が1000mだとしたら、標高差は1000m、ということです。
『高い山=しんどい』というワケではない
では、まず表の標高差をもとに見ていきましょう。基本的に、高い山になると歩行距離も伸びる、というのは感覚的に分かっていただけると思います。
1000mと山を登るのと、3776mの富士山を登るのとでは、全然歩行距離も変わりますから、高い山はしんどいです。
ただ、1000m以下の山だったとしても、めちゃくちゃしんどい山もあります。
登山コースに崖のようなところがあったり、ゴツゴツした岩場を越えていかなければいけなかったり、理由は様々ですが、低いからと言ってしんどくないわけではない、ということは覚えておきましょう。
同時に、低いからって安易に選ぶのは危険、ということですね。
800mの山より2000mの山が楽?!
表題の通り、800mの山より2000mの山が楽、なんてことはあるのでしょうか?
答えはもちろん、Yesです。
2000m級の山には、アレが設置されていることもあります。
アレって何だと思いますか?
エスカレーターではなく、ロープウェイです(笑)
ロープウェイやドライブウェイ
僕は名古屋の人間なので、身近なところで言うと御在所岳という三重県にある山はロープウェイがついていて、ほとんど山頂まで行けます。
ロープウェイ以外にも、岐阜県と滋賀県にかかる伊吹山には、伊吹山ドライブウェイがあり、こちらも車でほとんど山頂まで行ける山の1つです。
こういう山に登ると、山頂付近にいる麓から登ってきたガチ勢と、ロープウェイや車で来た観光客で全く服装が違い面白いので、ぜひ実際に見てもらいたいです(笑)
ちょっと話が逸れましたが、800mの山を0mから登るのと、2000mの山を1700mまでロープウェイで登ってから、残り300mを自分で登る、のとでは500mもの差があります。
500mの標高差というのはそれだけで☆1と☆2の中間ぐらいなので、一言で800mと2000mと言っても、一概に2000mの山がしんどい、というわけではないということを理解していただけましたでしょうか。
なので、自分が登る山のスタート地点は標高何mで、山頂は何mで、だから自分が登る標高差は何mだな、ということをしっかり把握して登りましょう。こういう時に地図の情報が役に立ちます。
コースタイム(歩行時間)の基準
次に歩行時間をもとに考えてみましょう。まずコースタイムという言葉についてですが、コースタイムは、ここまで説明した歩行時間と一緒です。
登山の専門用語の1つと思ってください。このコースタイムには、5つの基準があります。
・2〜5名のパーティ
・山小屋利用を前提とした装備
・夏山の晴天時
・休憩時間は含まれない
の5つ。順番に見ていきます。
①40才〜50才の登山経験者
コースタイムがもし、20代のバリバリのアスリートが本気で登って下りたタイムをコースタイムとしていたらどうでしょう?
って言われちゃいますよね(笑)
なので実際のコースタイムは、40代〜50代の登山経験のある方の平均タイムがコースタイムです。
ここで注意ですが、初心者の場合、たとえ20代であってもこのコースタイムでいけないこともあります。ここは後で説明します。
②2〜5名のパーティー
登山者の多くは、1人ではなく集団で登ることが多いです。コースタイムの基準は、こうした集団登山をしている2〜5名のパーティを前提としています。
③山小屋利用を前提とした装備
山小屋を利用するということは、宿泊だったり、簡易的に料理をする想定だったり、日帰り登山に比べると当然装備は重くなります。たとえ余裕で日帰りで行ける山でも、そういった前提での装備を持った状態、という認識でいてください。
④夏山の晴天時
やはり、雨では歩きやすさが全然違うんです。また、冬山では雪がつもっているのでアイゼンという足にはめる道具をつけた状態で歩いたりもしますし、コースタイムが相当バラつきます。
なので夏に、晴れた時に経験者が登ってこれぐらい、というタイムが設定されているということです。
⑤休憩時間は含まれない
ここが一番大事なポイントで、コースタイムには休憩時間が含まれません。
つまり、スタートしてから山頂に登り、下山するまでずっと動き続けてこのタイム、ということです。さすがにそんな人いないとは思うのですが(笑)
そういうことだそうなので勘違いしないように注意しましょう。
コースタイムが3時間と書いてある山でも、実際に登る場合は必ず休憩は必要なので、3時間+休憩1時間として、難易度は☆2ぐらいかな〜という見方をするといいです。
初心者のコースタイム
先ほどの①で書いた通り、初心者はコースタイム通りに行けないことがほとんどです。
では、ここまでを踏まえた上で、初心者の方は自身のコースタイムをどれくらいだと想定すればいいのか?ということについて、僕なりの答えを書いておきます。
初心者の方は、以下の計算式でコースタイムを出してみてください。
一般の人のコースタイムを1.5倍していただき、そこに休憩時間を1時間プラスするという計算です。
なので例えば通常のコースタイムが2時間の山だとしたら
2時間×1.5+1時間=4時間
という認識で登るということです。
コースタイムが2時間というと、表の難易度は☆1ですが、初心者の方は☆2ぐらいのつもりで登ってください。
ここまで、標高差と歩行時間(コースタイム)という2つのポイントで、山の選び方を書いてきました。
あくまでも僕の考える目安ではありますが、今日の内容を参考に登っていただければと思います。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!