こんにちは!今日は、また地形図関連のお話ですが、ぶっちゃけこれが一番知りたい情報なのでは?ということをお話します(笑)
それは、地図を見て
どの道で登るのが一番楽なのか?
を判断する方法です(笑)ね?知りたいでしょ?しかも、楽に登れるということは、結構ゆるやかな斜面を選ぶということですから、同時に安全面にも配慮できている。最高じゃないですか。
今日は、内容に入る前に1つだけ約束してください。
楽なコースの選び方
まず、楽なコースを選ぶために必要な基礎知識があります。
・山頂がどこか分かる
この2つです。ということで、何のこっちゃ?という方はまずこちらの記事を軽く読んでみてください(^^)
分かる方はこのまま読み進めていきましょう。
さて、ではまずこちらの図をご覧ください。
①〜③の3つのルートがあります。山頂は1000mです。
さて、あなたならどのルートを選びますか?順番に見ていきましょう。
①のコース
まず、①のコースに関しては、地図で見る直線距離では山頂まで最短で行けそうです。
最短距離で行けるということは、その分歩く距離が短くなります。
しかし!しかしですよ。よく考えてみてください。というより、こちらの記事を見てください。
この記事にも書いてあるように、等高線の幅、①のコースが一番狭いですよね?ということは、①のコースが他のコースと比べて急斜面ということなんです。急斜面をずっと登り続けるのは、正直かなりしんどいのでおすすめはしません。
では次に、②を飛ばして③を先に見ていきます。
③のコース
③のコースは、①の次に短いですね。このコースは、真ん中あたりに等高線の幅の広いところがありますから、そこがゆるやかで距離が伸びる分、①より直線距離が長い、ということです。
①に比べれば楽かもしれませんが、よ〜くコースを見てください。一部ではありますが、①のコースよりもより等高線の幅が狭いところがありませんか?
ここは、例えば等高線が10mおきに引かれているとしたら、より急斜面になっている、ということを示します。
一部に緩やかなところもあるけど、一部が崖みたいな急斜面、ではさすがに安全なコースとは言えませんよね。ということで、③も初心者の方にはきつい(危険な)コースということになります。
②のコース
じゃあ、消去法で②が一番安全で楽なコースか?というと、その通りです。一番楽なコースは②のコースということになります。
富士山に登山経験のある方なら分かると思いますが、富士山は山頂に向かうにつれて斜面が急になっていく形をしていますから、登り始めは直線的に斜面を登っていくけど、標高が高くなるにつれ登山道がだんだんグネグネしてませんか?
あれは、斜面が急になってきたからグネグネさせることで登る距離は長くなるけど、一気に登らないので楽だし、安全に登れるからなんです。
どうでしょう?それを理解した上でもう一度②のコースを見てみてください。
急斜面は避け、なるべく緩やかになるように登っていますよね?歩く距離は確かにその分長いですが、一番楽なのは実は②のコースなんです。そして、緩やかということは、同時に一番安全に登れます。
もし遭難しても
では、もし山頂でも、途中でも遭難してしまったら?この場合の遭難は、霧などによって視界が全くなく、自分がどこにいるのか分からない状況のことと仮定します。
分かりやすいので山頂でその状況になったとしましょう。
まずは、落ち着いてコンパスで方角を確認します。②のコースで登ってきているので、南東の方角が下山する時の方角だ、ということが分かりますね。
もしコンパスがないとこういう時詰んでしまいますので、コンパスは必ず持っていきましょう。
そして、コンパスを頼りに南東に向かって下山していくと、急に急斜面が出てきました。これは、③のコースの方に来てしまった、ということが分かります。
②のコースには急斜面はないので、南東に進んで来た結果、③のコース付近にある急斜面のところまで降りてこられた、と判断してください。
なのでここに来たら今度は西向きに(西南西ぐらい)進んで行きます。すると、また急な斜面が出てきました。
ということは、ここで再び南東方向に向かって降りれば、急斜面でもないし、おおよそ自分が登り始めた地点に戻ることができる!
ということです。
まとめ
このように、地形図でどのコースが一番安全で、一番楽に登れるか?という知識は、下山する時のコース判断や、最悪遭難してしまった時のおおよその居場所の把握にも役立ちます。
他の記事でも書いていますが、遭難原因のトップは『道迷い』によるものです。
この道迷いも、正確に地形図が読めればある程度は防ぐこともできますし、安全で楽なコースを登っていることによりいざ迷った時、まだ体力も残っています。
冷静に地図を読み、安全なコース(緩やかな斜面)を進んでいくことで、転倒や滑落などの二次災害も防ぐことができますね。
登山には、富士山のように同じ山でもいくつかの登山コースがあることも多いので、登る前に地形図を見て、どのコースが一番楽で安全に登れるか?というのをしっかり考えて登るようにしましょう!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!