こんにちは!今日は、知らないと危ない、遭難した時の対処についてお話します。
毎年のように、登山に行った誰々が遭難し〜というニュースがテレビで流れますが、あなたも一度は見たことありますよね。
遭難には、色々と理由があります。もちろん遭難しないことが一番いいですし、一番大切です。遭難しないための準備など、覚えておいた方がいいこともあります。
でも、いくら準備をしていても、遭難してしまうことだって当然ありますよね。なのでいざ遭難してしまった時は、こうしよう!というお話です。
遭難してしまった時の対処というのもいくつかありますが、遭難原因によって変わります。なので遭難原因別で解説しますので、まずは以下のように遭難原因を大きく3つに分類しました。
①転倒・滑落
②道迷い
③病気・疲労
それぞれの原因による遭難時の対処を、これから解説していきます。
この記事の目次
転倒・滑落による遭難
まずは、転倒・滑落による遭難です。
救助を依頼
転倒などにより動けなくなってしまい遭難した時は、まず一番最初に救助を要請しましょう。
転倒・滑落により足に怪我をしてしまい動けない場合、どうしても救助を呼ぶ以外の方法はありません。
お金がかかるとか、迷惑かけるとか、そんなことより命の方が大切です。なのでまずは救助を要請してください。
正確なデータはありませんが、山岳救助でヘリが飛ぶ場合、いきなりドクターヘリが来るということはほとんどありません。
警察や消防の山岳救助隊のヘリが来ることがほとんどです。
ただ、もちろんヘリ自体は山岳救助だけに使われているわけではないので、ちょうどのタイミングでヘリがなければドクターヘリだったり民間のヘリが来ることもあり得ます。
民間のヘリが来た場合、1時間飛ぶのに50万〜60万ほどかかるそうです・・・。警察や消防もタダというわけではないと思いますが、よほど運やタイミングが悪く、民間のヘリが来たらMAXでそれぐらい、かも。程度に頭に入れておいてください。
ただ、繰り返しになりますが、お金よりも命の方が大切です。まずは命を守る行動をしましょう。
時間の問題
お金の問題もありますが、もう1つ、時間の問題もあります。救助を呼んだからと言って、すぐにヘリコプターが飛んで来て、すぐに見つけてもらって、すぐに病院に行って、というのは、理想的な展開ではありますがほとんど奇跡みたいなものです。
気候や天候条件によっては、すぐに飛べないこともありますし、日没が近ければ当然翌日以降に捜索が持ち越されることもあります。
その場合に備えて、一晩〜1日ぐらいであれば過ごせる食料や飲み物の準備、防寒対策などもしっかりしてあると理想的です。
また、複数人で登った時に仲間が転倒・滑落などをしてしまった場合も、自分たちで救助に向かうのではなく、救助要請の連絡をした上で、さらに近くの山小屋にも事故があったことを知らせ、対応を聞く、などした方がいいでしょう。
応急処置
もし、あなたが登山中に転倒・滑落などで怪我をしてしまったけど、体はなんとか動かせる場合、救助を待っている間に応急処置をしてください。
応急処置のキーワードは『RICE』です。
R…Rest:しっかりと休息を取る
I…Ice:幹部を冷やす
C…Compression:圧迫をする
E…Elevation:(心臓よりも高い位置に)あげる
このRICE、しっかり覚えておきましょう。
まずは、すぐに動くのではなくしっかり休息を取り、怪我したところを冷やし、もし出血などしていたら圧迫し出血を止める、出血箇所を心臓より高い位置にあげる。
これらのことをするだけでも全然違います。あとは救助が来るのを待つしかないので、落ち着いて待ちましょう。
道迷いによる遭難
次に、道迷いによる遭難時の対処です。道迷いによる遭難は、次の3つの対処があります。
②救助を呼ぶ
③その場を動かない
その場その場でどれを選ぶかは迷うかもしれませんが、これから解説しますので、一番状況的にふさわしい対処をしていただければ大丈夫です。
引き返す
道迷いの原因の多くは、前の人について歩いていくと、気付いたら全然違う場所にいた!というパターンです。
そしてこの場合、気付いた時点で止まり、以下の点を満たしているか冷静に考えてください。
・来た道を覚えている
この2つに自信があるのなら、引き返してもOKです。もしどちらか一方でも自信がないのなら、無理に引き返すとさらに迷う可能性があるので引き返すのはおすすめできません。
では引き返せない場合はどうしたらいいか?というのが2つめの『救助を呼ぶ』です。
救助を呼ぶ・その場を動かない
救助を呼ぶ場合は、③の『その場を動かない』もセットになります。
当然救助を呼ぶわけですから、その場から動いてしまっては永遠に見つかりません。救助を呼んだなら必ずその場から動かない、というのを心がけましょう。
この時、『転倒・滑落による遭難』のところで解説したように、救助を呼んだからと言ってすぐに来るわけではありません。場合によっては1日以上かかることもあります。
今回は怪我ではないので動けますし、救助が遅れれば遅れるほど焦って動きたくなるかもしれませんが、絶対に動かないようにしてください。
やはり、色々なリスクを想定した上で、一晩〜1日ぐらい過ごせるよう余分に準備をしていく、というのがいかに大切か分かっていただけると思います。
病気・疲労による遭難
水分補給
最後に病気や疲労によって体調が悪くなり、動けなくなっての遭難ですが、この場合、まずもってしていただきたいのが水分補給です。
体の70%は水分でできていると言われるように、水分補給は体調が悪くなった時とても大切なので、ここは覚えておいてください。
体を温める
次に大切なのが体を温めることです。体を冷やしてしまうと身体機能が著しく低下してしまいます。
詳しくは関連記事を参考にしていただきたいのですが、低体温症という症状になると、最悪の場合死に至る、恐ろしい症状です。
夜間になれば山は寒くなりますし、風もあるかもしれません。なのでしっかり風を防げるウインドブレーカーや、雨が降ってきた時に備えてレインウェアなど、しっかり用意していきたいところです。
関連記事にもあるように、レイヤリングを意識して登山ウェアを選んでおけば安心できます。
低体温症になるのを防ぐためにも、水分補給をしっかりした上で体を温めることを忘れないようにしましょう。
山岳保険
さて、ここまで遭難した時の対処をいくつか書いてきました。ですが、いざ遭難の当事者となった時
などと冷静になれるかどうか?と言ったら微妙ですよね。
僕も遭難したことがないのでいざそうなったら冷静でいられるか分かりません。ただ、今日の内容のことを頭の片隅に置いておくだけでも、いざという時の判断に役に立つことはあるはずです。
もちろん、あなただけではなく一緒に登った仲間がそうなってしまった時にも冷静に対処できますよね。
そして、救助を呼んだ時、もし多額の費用がかかってしまったら…ということが不安だと思いますので、いざという時のために『山岳保険』に加入しておくことをおすすめします。
有名どころで言うとモンベルさんも山岳保険を扱っています。
(https://hoken.montbell.jp/aiglong/mountain.php)
この山岳保険ですが、自分にも当然使えますし、自分が故意ではなくても誰かを怪我させてしまったりとか、そういう時にも保険が使えるんです。
例えば自分が原因で落石を起こしてしまい、その石が他の登山客に当たって怪我をさせてしまった、なんて時に保険が使えます。
自分のためにも、他の仲間や登山客のためにも、ちょっと難易度の高い山などに登る場合はぜひ山岳保険に加入してくださいね!
それでは、今日の内容は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました♩